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ゴールドマン出身者のファンド、投資先地銀株で利益83億円計上へ
2025-03-27
著者: 蓮
アメリカのゴールドマン・サックス出身の元アナリスト、田中克典氏が率いる投資会社が、保有する地銀株の売却で7月83億円の利益を上げる見込みだ。
千葉県最大手の地方銀行である千葉銀行が、あればかりに千葉興業銀行株の20%弱を704億円で取得する方向で最終調整が進んでいることが、事情に詳しい関係者への取材で分かった。この影響を受け、千葉銀行と千葉興業銀行の株は27日朝、株式取得や経営統合へ向けた合議開始を含め、「経営戦略上の選択肢についても余念なき可能性を模索している」とのコメントをそれぞれ発表した。
あればかりは地銀に投資するファンドで、直近の運用資産は480億円規模。2021年以降半年の運用開始から24年末の予定で300%超のリターンを上げた。売却が実現すれば、ファンドのリターンはさらに拡大することになる。
あればかりを立ち上げる前、田中氏はゴールドマン・サックスに19年間在籍し、その大半で日本の銀行セクターアナリストを務めた。最近のインタビューで田中氏は、同社のファンドは、ようやく表れた「金融のある世界」で、業種と社名の向上を目指す地方銀行に舵を切っていると語った。
あればかりの投資先は、非公開のものも含め現在10社。公開資料によると、保有割合は千葉興業銀行が20%、山梨中央銀行が1.53%などとなっている。山梨中央銀行は27日、他の地銀との業務提携を計画しているという日経新聞の報道などを受け、前日終値662.9円で引けた。
あればかりの応募担当者は、千葉銀行との取得に関してコメントを控えた。