澁谷一成 医学研究科特任教授、MOI MENG LING 東京大学教授、池田佳明 大阪大学教授、村上大輔 京都大学准教授が率いる研究グループは、本日、新型コロナウイルスに対する次世代ワクチンを新たに開発したと発表しました。このワクチンは特に、ナノ粒子を利用した革新的な薬剤送達システムを特徴としています。

本ワクチンは、「プルランナノゲル（以下「PNG」）」と呼ばれる無毒性のナノ粒子システムを使用し、新型コロナウイルスに対する免疫応答を引き起こす原材料として用いられています。研究によれば、PNGは従来のワクチンシステムと比較して、体内での免疫応答を有意に増強し、持続的な効果をもたらす可能性があることが示されています。

製品化に向けた臨床試験では、PNGを用いて感受性の高い新型ワクチンがバイリンガルマウスモデルにおいて、感染前投与により効果的な免疫応答を示しました。これにより、従来のワクチンと同様の効果が確認され、加えて、従来のワクチンでは達成しにくい持続的な免疫効果が得られたことが報告されています。

重要な点として、研究チームはPNGの安全性と効果を確認するために、2種類の異なるマウスモデルを用いて実験を実施しました。その結果、PNGを用いた場合、通常のワクチン投与に比べてウイルス感染による死亡率が著しく低下したことが観察されました。

今後の計画として、この技術は新型コロナウイルス以外の感染症に対しても応用される可能性があり、特に将来のパンデミックや新たなウイルス株の出現に備える備備えとして広く期待されています。さらに、mRNA技術を用いた次世代ワクチン研究も進められており、新しい医薬品開発の道を切り開く可能性が高まっています。

実際の研究成果は、2024年7月18日に、国際医学専門誌「npj Vaccines」に掲載される予定です。この発表は、国際的なワクチン開発の分野において大きな影響を与えるものと考えられ、今後のワクチン技術の進展が期待されます。研究チームは、新型コロナウイルスの影響が続いている中で、より効果的なワクチン開発が緊急課題であることを強調しています。今後の進展に注目が集まっています。