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フランス国債の利回り、ギリシャ国債と同水準の3%に…財政再建が困難との見方拡がる
2024-11-29
著者: 葵
【ロンドン=中西彬】18日のフランスの10年物国債の流通利回りは一時、3%台となり、ギリシャ国債と同レベルに達した。この水準は2022年度予算案の見通しが厳しい中で、財政再建が困難になるとの見方を反映している。
17日には、欧州で最も安全性が高いとされるドイツ国債の利回りとの乖離が一時、10・19%に達した。リタール通信によると、ギリシャの巨大財政赤字の発生を懸念するフランス債務危機が深刻化している。
フランス政府は、今年9月に発足したバルニエ内閣が2025年度までに財政赤字を半減する計画を打ち出しているものの、その実現には多くの課題が残されている。特に、野党で極右の流れをくむ「国民連合」などが強い造反勢力を形成している。
加えて、国際通貨基金(IMF)や欧州中央銀行(ECB)の厳しい財政規律が国の運営に影響を及ぼしている。投資家はフランス国債を売却の動きが広がり、国債の利回り上昇が継続する可能性がある。財政の健全化に向けた取り組みがますます重要になる中、日本の金融機関や外資系ファンドの動向にも注目が集まっている。