
極寒でも命をつなぐ。南極の氷山下に潜む生物群
2025-03-26
著者: 蒼太
命は過酷な環境下でも、生き延びる道を見つけるものです。
科学者たちが極端な氷山分離後の海底を詳しく調査したところ、驚くべき数の生物群を発見しました。巨大な氷塊が周囲の環境に与える影響に関する解明を進めています。
氷山の下に生きる生物コミュニティ
調査対象となった東京都23区の80%近くにあたる巨大な氷山「A-84」は、もともと南極の一部だったのですが、その下には多くの生物群が住んでいたそうです。
ポルトガルのアフリカ系研究者であるPatricia Esquete氏は、米国南極研究所(BAS)のプレリリースで次のように語っています。「こんなに美しく活気に満ちた生態系が見つかるとは思ってもみませんでした。」
生物の大きさから判断するに、私たちが観察した生物群は、数十年前、あるいは数百年前から存在していたと思われます。
深海探査機が可能性を開く
510平方キロもある氷山がなくなったおかげで、研究チームは遠隔操作探査機(ROV)「SuBastian」を使って、水深1,300mの海底を詳細に調査できるようになりました。その結果、大きなサンゴや海藻、タコなどの他の生物に生息環境を提供していることが発見されました。
今回の画期的な発見は、シドニー海洋研究所の調査船「R/V Falkor (too)」によって行われ、海底に隠された生命の神秘を次々と明らかにしています。このプロジェクトは、未知られた海底領域の地図作成や、タコの繁殖地を追いかけるなど、さまざまな成果を挙げています。
氷山(分離前は氷の一部)が居座っている間、その下の生物は生存するために必要な凝集要素を上から得られませんでした。つまり、このような自然環境の中で生物たちが命をつなぐための努力は多大です。
そこで研究チームは、海流が氷山の下に生息する生物の生存維持にとって重要な役割を果たすといった見解を立て、次のように述べました。「南極の氷山の解体は、海面上昇の主な要因です。」
私たちの研究は、最近始まった変化を中心に推移し、将来的には長期的な監視が必要であることを強調しました。この監視が、実行可能な政策設計に役立つと考えています。この重要なデータの分析を続ければ、必ず新たな発見があるでしょう
氷山の喪失は深刻なものであり、科学者にとって反対に普段アクセスが難しいエリアを調査できるチャンスではあるのですが、生命が細やかに生き延びている限界環境に関して知識を拡げることが求められています。ROV SuBastianとR/V Falkor(too)は、その役目を果たしてくれることでしょう。これは新たな驚きをもたらしてくれるかもしれません。