
進む移植医療 腎臓移植のドナー 死亡リスクが過去最低に 米国
2025-03-25
著者: 桜
腎臓提供者(ドナー)の死亡リスクが過去10年で著しく低下したことが新たな研究で明らかになりました。ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学校の研究チームによると、この研究の結果は、2023年8月28日付けで『Journal of the American Medical Association(JAMA)』に発表されました。
研究によると、毎年約6,000人の米国人が腎臓の提供を志願しています。Massie氏によると、1993年から2022年までの生体腎移植に関するデータを分析し、腎臓提供後90日以内の死亡率を算出しました。 その結果、1993年から2022年までの期間に、以下のような死亡率の変化が見られました。1993年から2002年までの間は13人(1万人当たり3.0人)、2003年から2012年の間は18人(1万人当たり2.9人)、そして2013年から2022年までの間には5人(1万人当たり0.9人)と、統計的に有意に減少しています。
特に女性の提供者は男性よりも死亡リスクが高かったものの、全体的な死亡率が過去最低になったことが注目されています。今年の調査では、腎臓提供後90日以内の死亡者数が減少したことについて、Massie氏は「腎臓移植が安全であることは分かっていたが、今回の調査結果から、ドナーの死亡率も著しく改善されていることが明らかになった」と述べています。
また、この研究の意義としては、腎臓移植の安全性が向上することで、ますます多くの人々が移植を受ける機会が増える可能性があると認識されています。腎臓移植は初期の手術リスクが高いとされていましたが、最新の医療技術と手法の進展により、提供者の健康がより重視されていることが背景にあると考えられています。
NYUの外科医であるDorry Segev氏は、「これらの結果は、腎臓提供の可能性があるドナーにとって重要な知見を提供します。腎臓移植の進展がドナーの健康を守ることにも繋がっているのです」と語りました。」},{