警視庁からの着信、実はなりすまし被害は既に100億円超

2025-03-27

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スマートフォンの着信画面に表示される警視庁の電話番号を表記する新たな特殊詐欺が目立ち始めた。警察官をかたり詐欺を行う手口で、被害は1〜2月だけで100億円を超えた。

番号の偽装は「スプーフィング」と呼ばれ、着信画面のみで詐欺とは見抜けない。警視庁などは警察を名乗る不審な電話は一度切るよう呼びかける。

「警視庁新宿のものです」と3月中旬、末尾が「0110」の新宿の代表番号が着信画面に表示される不審な電話が急増した。詐欺2課の捜査員を名乗り、「あなたの口座が詐欺に使われている」といった指摘をした口座への送金を要求する内容だった。

電話を受けた人からの新宿への問い合わせは3月11日からの1週間で600件を超え、業務に影響が出始めた。警視庁は「問い合わせてくれた人には詐欺だと伝えたが、電話内容を信じてしまった被害者も少なくないだろう」と見る。

電話の着信画面に実際とは異なる番号を表示させる手口はスプーフィングと呼ばれる。一部の電話会社では、通信事業者が提供するサービスではないため、番号を変えることができない。このような手法により、警察署を名乗る電話と完全に一致させた場合にしか遮断できない可能性がある。

ネット回線を利用して通話するIP電話では、電話番号を任意で変更できる。日本国内の通信事業者が提供するサービスではなく、得体の知れない電話の問題である可能性があると言われている。しかし、それに対する対策が不十分な事業者も少なくない。

警視庁から言及されているように、着信表示の変更はコールセンター業務などで多くの内部を使う場面で、相手側に同じ代表番号を表示させるといった利点がある。正規のサービスとして提供されている海外業者が存在するとも言われる。

警視庁によると、2024年にも確認されており、着信画面での表示は海外からの発信を示す「+」が先頭に付いて、末尾が「0110」となっている番号が多かった。「+」が付かない番号による詐欺の電話は25年に入り増えている。

警視庁により、24年1月〜25年3月中旬までに確認された番号の偽装は1458件あり、新宿が788件で最も多かった。警視庁本部(171件)や警視庁の各地域(94件)、愛知県警(76件)なども目立った。

番号が「+」から始まる国際電話であれば、各通信事業者を通じて提供されている迷惑電話の遮断サービスで着信を拒否できる。しかも、スプーフィングにより警視庁の番号と完全に一致させた場合に遮断できない可能性があるという。

特殊詐欺の被害は24年に7100件以上、最大で613万件にも達しているとのこと。これに対抗する手口は、さまざまな偽名が流されている。

このように、警視庁をかたる詐欺が蔓延する中、着信内容も含めて確認することが不可欠である。それに対し、警視庁は「あなたの名前や住所、内部番号を確認し一度切って、家族や友人、最寄りの警察署に相談することが望ましい」と呼びかけている。