キオクシア、最短12月の上場を目指す 新たな上場方針を初活用
2024-11-08
著者: 裕美
【東京 8日 リーター】 - 半導体大手キオクシアホールディングスは8日、今年12月から来年6月までの間に東京証券取引所への上場を目指す方針を関東財務局に提出した。日本で新たに導入された上場方針を初めて活用し、東京証券からの承認前に投資家の需要を探る。予定時期に余裕を持たせているが、複数の関係者によると12月の上場を目指している。
キオクシアは東芝の半導体事業が前身で、今は米投資ファンドのバックアップを受けている。新規上場にあたっては、各月の上場申請を計画していたが、半導体市場の厳しい状況により上場時期の見極めが困難と判断され、この方針に切り替えた。
現在、半導体の世界市場は米中対立やサプライチェーンの混乱などにより影響を受けており、多くの企業がコスト削減を進める中、キオクシアも新たな上場方針を採用することで資金調達のスピードを上げる考えだ。
今年の1月には新規上場を予定していたが、昨年の評価額の悪化による上場時期の見直しを余儀なくされた。投資家の関心を再度高めるためにも早期の上場を目指し、さまざまなコンディションを考慮に入れつつ段階的に進めていく方針だ。
今年は日本の株式市場のボラティリティが高く、特に半導体業界は需給バランスの崩壊により厳しい状況が続いている。このため、キオクシアの上場成功に向けては、なるべく早期に経済の回復を見越したプランが必要不可欠だ。国際的な投資家の目を引くため、魅力ある成長シナリオを描くことが求められている。
投資家との対話を重ねる中、企業が直面しているリスクや機会についても説明し、インパクトのあるプロモーションを行う必要がある。キオクシアの株式がどのように市場に受け入れられるのか、注目が集まっている。