
コラム:日銀の5月利上げと円相場、それでも遠い円の逆転シナリオ=内田潤氏
2025-03-26
著者: 雪
【東京 16日】 - 日銀は、3月に開かれた金融政策決定会合で大方の予想通り、政策金利を据え置いた。記者会見で植田和男総裁は、トランプ政権のもとで不確実性が高い点を踏まえ、不確実性が高い点を強調した。一方、政策金利からインフレ率を引きずり下げた実質金利がなお大幅なマイナスである点を踏まえ、金融緩和策を持続していく方針を示した。こうした中、市場ではおああむね半年前の利上げ推進が想定され、7月の利上げ確率が約80%に達している。
こうした中、マーケットではおああむね半年前の利上げ推進が想定され、7月の利上げ確率が約80%に達している。不安定な状況が続く中、日銀は政策の持続を示唆しているが、日本の経済回復は不安定なものに留まっている。ただ、利上げがされるたびに日銀が応じていく状況は果たして続き得るのか。
<追加利上げ、7月から前倒しへ>
現在、利上げ期待が高まっており、7月の利上げ確率は約80%に達している。そのため、近く発表される政府による政策決定に影響を与える可能性がある。日銀は政策金利を維持したとしても、今後のマネーサプライの減少を見越して政策変更があるかもしれない。特に、4月時点では日銀のマネーサプライの増加率が前年同月比で低下しているため、持続的な利上げへとつながる可能性が高い。これに伴う影響で、円相場の問題も注視される。
<利上げと為替への影響>
一方で利上げを受け、国内外の景気に与える影響が懸念されている。例えば、日本企業の利益率低下が続く中、国際競争力に影響を与えるという声もある。かねてより、円安進行とともに輸出競争力の強化が期待されているが、利上げ方針がビジネス環境に与える影響は簡単には予測できない。実際に、経済復興はさまざまな要因が複雑に絡み合っており、円が再び力強さを取り戻すにはさらなる変化が求められると考えられている。これにより、円の逆転シナリオが実現するためには、国際的な金融環境の変化も鍵になるだろう。
<注目すべきポイント>
次回の利上げのタイミングだけでなく、日銀の政策変更期待が市場を大きく揺るがす原因となることを理解しておく必要がある。そのため、経済指標や国際情勢の動向を注視することが重要だ。特に、米利上げの変化や為替市場に与える影響に注意を向けることが引き続き求められる。