健康

コロナウイルス感染症後の症状を軽減するかもしれないメトホルミンの治療効果とは?

2024-10-08

著者:

メトホルミンがlong COVIDのリスクを軽減する可能性

最近、アメリカの研究チームが発表したところによると、二型糖尿病の治療に広く使用されているメトホルミンが、COVID-19による病状の持続、いわゆるlong COVIDのリスクを低下させるかもしれないという結果が示されています。この研究は、2023年9月17日付けで「Diabetes Care」に掲載されました。

long COVIDは、慢性的な疲労感、呼吸器症状、認知機能の低下など、多様な症状を伴う状態で、COVID-19に感染した後に発症します。現在、米国では数百万人がこの状態に苦しんでいるとされています。

この研究では、SARS-CoV-2に感染後のlong COVIDの発症率が、メトホルミンを使用している糖尿病患者において有意に低下することが確認されました。具体的には、感染後6ヶ月以内にlong COVIDを発症する確率が41%低下するというデータが示されています。

研究の著者であるキャロリン・ブラマンテ氏は、「メトホルミンは世界中で広く使用されている薬剤であり、低コストで安全性が確立されていることから、long COVID予防においても有効性を発揮する可能性がある」と述べています。また、おそらくこの薬の使用がCOVID-19の治療においても重要な役割を果たす可能性があると強調されています。

アメリカ国立衛生研究所(NIH)からの資金提供を受けたこの研究は、約7万6,000人のメトホルミン使用者を対象に洗練されたデータ解析を行い、さらなる証拠を集めています。糖尿病患者のいくつかは、1万3,000人以上がlong COVIDのリスクを有する状態にあることも示されています。

この発見は、長期間にわたるコロナウイルス感染症の後遺症に悩む多くの人々に希望を与えるものであり、今後の研究が期待されています。もしメトホルミンがこの種の症状に対する新しい治療法として認識されれば、この病気で苦しむ人々の生活の質を大幅に改善できる可能性があります。