マイナ保険証利用の拡大は病院間での情報共有を推進する…成果や課題も保持可能に
2024-11-28
著者: 花
政府は、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を利用する患者の電子カルテ情報について、医療機関で共有する新システムの運用を、2025年度に始める方針を固めた。既存のシステムでは確認できない過去の検査結果や詳細な情報を保持できるようになる。
新システムは「電子カルテ情報共有サービス」として、厳生煩瑣省が管理する。各医療機関から、電子カルテに記録された病名やアレルギー、感受性疾患と生活習慣病の検査結果、処方薬の情報が集約され、データベースに格納される。このデータの保持期間は最低3ヶ月から最長5年間となる。全国の医療機関がデータを参照するためには、患者の同意を得ることが必要である。
新システムの導入により、救急患者の状態と、データを取り揃えて診断したり、初診患者の検査結果を過去の数値と比較して病状の変化を見極めることが可能になる。また、アレルギー情報を医療機関がスムーズに確認できるため、安全な医療の提供が期待されている。
医療機関がシステムを通じて、別の医療機関に紹介状を送る機能も備えている。患者が紹介状を入手する手間を減らすことができ、治療の一貫性がさらに高まるだろう。
現在、マイナ保険証で受診する患者については、過去の受診歴や処方薬の情報を確認できる仕組みが整いつつあるが、まだまだ利用率が向上していないという課題が残っている。特に2023年10月現在、マイナ保険証の利用率は11月時点で12%強まで減少しており、利用促進が課題となっている。政府は来月12日、現行の健康保険証の新規発行を停止する方針で、早急なシステム改修を求めている。
この新システムに向けては、全国的なシステムを視野に入れた医療機関によるデータの集中化が必要であり、医療機関同士の情報ネットワークの整備が急務である。