マツダの国内におけるフラッグシップモデル「CX-80」を、今季の発売に先駆けて試乗した。

CX-80は2022年9月に登場した「CX-60」と同じく、ラージプラットフォームをベースにした上位モデル。最大の特徴は全長4,990mm、ホイールベース3,120mmまで拡大したことで、得られた3列目シートであり、その快適さや乗り心地は話題になっている。また、その設計はCX-60に対して、より成熟したフラッグシップSUVの印象を与える。

試乗したモデルは直列6気筒3.3リッター（254PS/550Nm）にモーター（16.3PS/153Nm）を組み合わせた「XD-HYBRID Exclusive Sports」と、直列4気筒2.5リッターの「PHEV Premium Sports」で、パワフルな加速を実現している。特に「XD-HYBRID Exclusive Sports」の走行性能は際立っており、一般道でも十分な加速感を感じることができた。

試乗は彫刻のような美しい砂浜から、紺碧の海へと向かうコースを約115km走行した。道中、徐々に増していくカーブを体験しつつ、乗り心地は驚くほど滑らかであった。

CX-80はその美しさと力強さを兼ね備えたSUVであり、全長5mを超えるボディは風の影響を受けつつも、走行性能は非常に安定していた。特に、パワートレインに関しては、上級SUVにふさわしいダイナミックな性能を持ち合わせており、反応も鋭かった。このモデルは特にファミリーユースだけでなく、長距離ドライブにも適した設定になっており、快適な空間を提供する。

加えて、600リットルを超えるトランクスペースは、積載の面でも優れた利便性を持っていた。しかしながら、当初の印象に反して、室内空間に関しては少し圧迫感があるとの声も。特にサードシートに関しては、身長の高い人には少々窮屈感を覚えるかもしれない。アクティブなファミリー層を意識した設計となっているが、全体的な使用感はまずまずとの評価だ。

その一方で、CX-80の運転に関しては、ドライバーが思わず笑みを浮かべる瞬間があった。大きなボディながら、コーナリングの際の安定性や、力強い加速感はクラスを超えるもの。これにより、日々の運転やレジャーシーンでも非常に役立つパートナーになり得るだろう。

このCX-80は新たに投入されるマツダのフラッグシップSUVとして、多くの注目を集めることだろう。今後の正式発売が楽しみである。