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【小道院信良の週刊 Electric Zooma!】ようやく登場した業務用カムコーダ、ソニ―「PXW」

2024-10-08

著者: 海斗

先日、テレビのロケ番組を見ていると、今やっと業務用カムコーダが登場した模様だ。業務用カムコーダ以外にもGoProのようなアクションカムやスマホ、デジタルカメラなど、カムコーダという立場が弱くなってきたからだ。

とはいえ、やはり利便性が高い業務用カムコーダは多く求められている。これまでそうした状況では、いわゆる「デジ」と呼ばれるカムコーダが多用されていたが、定番といわれたソニ―の「HXR-NX5R」や「PXW-Z150」はすでに完売となっており、買い替えもできないという状態が続いていた。

その間にデジタルカメラが台頭してきたわけだが、動画専用機といえるわけでもないことから、いくつかの類似機が出てきても、完全に代用できるものではない。

そんな中、ようやくこの9月にソニ―から業務用カムコーダが2種類発売となった。NXCAM「NXR-NX800」と、XDCAM「PXW-Z200」である。価格はそれぞれ506,000円、649,000円となっている。

ただしカムコーダとしてはまったく同性能である。Z200の方がSDI出力やタイムコード入出力ができたり、記録フォーマットが保証されることに加え、型番は全く違うが事実上同じ機能を持つ兄妹機といっていい。

今回は上位モデルとも呼べるZ200の方をお借りして、業務用としては久しぶりに登場したハンドヘルド型カムコーダの、イマドキの進化点をチェックしてみた。

現在のデジタルカメラの場面で見ると、前作とも言えるZ150とは目立った違いはなく、目を凝らす設計は異物で、概ね同じサイズ感にまとまっている。LEDモニターは以前は上に傘をするように折り畳まれていたが、今回は横に折り畳まれるようになっている。このためハンドル前部がベタっと広くなるという感もなく、スッキリしている。

もう一つスッキリした印象を得ているのが、外部マイクの入力にはミキサーやレポーターマイクを接続することも多く、カムコーダ自体にマイクをくっつける必要がないケースもある。このため本体の携帯性も良くなる。

加えて、今回付属しているLEDモニターの角度をずらすことで、よりスムーズな撮影が実現できる。これにより、様々な角度からの撮影が可能となり、より自由度の高い映像制作ができるようになるだろう。

また、音声入力は4chで、これらの入力端子は1, 2chがXLR、3chがミニプラグである。ミニプラグへの入力には「3」としか記載がないが、ステレオ入力の場合、この2chに振り分けることもできる。

従って、今回のデジタルカメラはCFexpress Type AメモリーカードとSDXCメモリーカードに対応したマルチスロットが2系統搭載されている。また、同時記録が可能なグリッドの記録ボタンとハンドル部の記録ボタンがそれぞれに設けられている。

このカムコーダーは、特に業務用としても使いやすい設計になっており、ライブ配信機能も整っているため、多様なシーンに適応できる。近日中にはさらに注目されるモデルとなることが予想されている。