【ベルリン=南芳奈】ドイツの前首相メルケル氏の回顧録が26日に発表された。米国の次期大統領に返り咲くトランプ氏と会った際に、「孤独的な特異性を持つ政治家に魅了されている印象を受けた」と述べた。メルケル氏は、孤立関係の構築に苦しんだ心境を明かしている。

書籍の題名は日本語で自由を意味する「Freiheit（フライハイト）」である。前東ドイツ出身のメルケル氏がブレリンの壁崩壊を経て、どのようにして政治の舞台に立ったのかを振り返る内容だ。

注目すべきは、メルケル氏がトランプ氏との関係をどのように捉えているかである。彼女は、交流の中で印象を持った「孤立感」や「特異性」について、より深く探求する姿勢を示している。過去数年、トランプ氏とメルケル氏との関係には緊張感があったものの、メルケル氏はその真意を読み取ろうとしていたのかもしれない。

また、回顧録では、メルケル氏が政治における関係性や国際協力の重要性を強調しており、他国との協調を図るための戦略を今後の指導者たちに向けて提言している。彼女の視点は、現代の政治における孤立主義の進展に対する警戒とも考えられる。これは、今後の国際情勢に大きな影響を与える警鐘として受け取られるだろう。

メルケル氏の回顧録は、ただの個人的な物語ではなく、全ての政治家に向けた重要なメッセージである。今後誰が国を指導するにせよ、国際社会とどのように向き合うべきかを再考する機会を提供しているようだ。トランプ氏とのかかわりを通じて得られた教訓は、未来の政治権力者たちにとって貴重な道標になるだろう。