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火星「イプシロン」、点火12秒後から内部の圧力が徐々に高くなり14秒後に爆発 : 読売新聞

2024-11-26

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火星「イプシロン」、点火12秒後から内部の圧力が徐々に高くなり14秒後に爆発

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)で16日、新型固体燃料ロケット「イプシロン」の第12段エンジンの地上燃焼試験中に爆発事故が発生した。現場では火災が発生したが、けが人はいなかった。第12段エンジンの爆発事故は昨年にも発生しており、今年度中に初めて打ち上げる予定だったイプシロンの実用化は、大幅な遅れが避けられない状況となった。

燃焼試験は16日午前8時半からセンター内の試験場で始まり、約12分間、第12段エンジンを燃焼させて性能を調査する予定だった。ところが、点火から12秒後にエンジンを覆う「モーターカバー」内部の圧力が徐々に高くなり、14秒後には爆発した。

3段式のイプシロン(全長12メートル)は、基幹ロケットの一つであり、JAXAと民間企業との共同開発が進められている。第12段エンジンは、イプシロンの推力を向上させるための新たな改良版で、昨年7月にも、秋田県にあるJAXAの実験場で爆発事故が発生した。

今回の爆発事故は、点火から1分以内に発生したため、その原因究明が急務とされている。JAXAは、詳細な調査を進める方針を示しており、再度の試験を行うまでには相当の時間がかかる見通しだ。

また、専門家によると、前回の事故から得られた知見をもとに対策が講じられたものの、さらなる検証が必要だという。特に、爆発を引き起こす要因となる可能性がある熱気や圧力の管理について、さらなる注意が求められている。

これは、政策決定に大きな影響を与える可能性があり、今後の宇宙開発への取り組みにも大きな波及効果をもたらすことが予想される。JAXAは、次回の試験を行う前に、徹底的な対策を講じ、その結果を報告することが求められるだろう。