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米国の金利低下が超長期債を押し上げ!市場は予測を超えた反応を示す

2024-10-10

著者: 芽依

11日の債券市場は上昇。米国での経済指標が弱気な中、長期金利が小幅低下した流れを引き寄せている。前日までの大幅安の反動や、利回り水準が上がっている超長期債への買いが期待されている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の黒田稔宏氏は「12カ月振りの高利回りを更新していたので、いったん値ごろ感が出ているのではないか」と述べた。

日本銀行は午前の金市場調整で定期の国債買い入れオペを通告した。対象は残存期間10年以上、5年以上10年以下、そして2年未満。買い入れ額はそれぞれ3250億円、3750億円、1500億円。これにより債券市場は活発化し、投資家の関心が高まっている。

長期国債先物12月物は一時前日比高い144円609銭に上昇。

新発10年債利回りは1.5ポイント(bps)上昇し0.94%に、同30年債利回りは1.5bps上昇し2.17%に。

東海東京証券の伊藤一雄氏は「米経済は依然として強いが、米利下げ圧力が大きな要因の一つとして波及している」と分析した。

10日の債券10年利回りは4.06%と高い水準で、年初から1bp低下。CPI(消費者物価指数)の上昇も連動し、昨年12月31日からの高水準を維持している。新規失業保険申請件数が高水準となる中で、複数の高水準利回りが注目されている。金利スワップ市場では11月の25bpの利下げを織り込み始めている。

市場の反応はテクニカル要因だけではなく、さまざまなファンダメンタル要因が絡んでおり、今後の動向に注目が集まる。投資家はどのような投資戦略を取り入れるのか、見逃せない展開が続く。