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米国市場、柔軟性に基づく新たな試金石へ=今週の米株式市場

2024-09-29

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【ニューヨーク 17日 ロイター】 - 米経済のソフトランディングに対する投資家の期待が高まり、11月14日に発表される9月の米鉱工業生産が大きな試金石となる。

米株式市場の指標であるS&P500種(.SPX)は、年初から約20%上昇し、過去最高水準に向けて着実に進んでいる。2022年11月から2023年9月までの期間における値動きは、2022年以降の高水準となって最近の好調な経済指標が寄与している。

米連邦準備制度(FRB)が今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で10月の政策金利引き下げを決定したことにより、経済成長に強い期待感が生まれ、市場はインフレが沈静化するとの予測を持つようになった。これにより、インフレ抑制に向けた強力な打撃が必要とされる中、各企業の業績も好調であることから、投資家の信頼感は高まっている。

一方、利下げ観測は景気後退を警戒する声も生んでおり、米国株市場は引き続きデリバティブ市場の動向に注目している。2023年末に向けて、株式市場のパフォーマンスは過去のデータを鑑みると、非農業部門の雇用者数の増加が約14万人増になる見込みである。

サルマヤ・パートナーズの社長兼最高投資責任者(CIO)のワシフ・ラティフ氏は、「株価はグロース株(成長株)とバリュー株(割安株)の集結の場となる」とし、「需要はそのシナリオに適応する可能性が高い」と述べた。

利用者数の増加に伴い、企業の収益構造が変わりつつあることも事実で、特にテクノロジー企業が新たな成長の火付け役となる可能性が高い。年末の予測では、非農業部門の雇用者数が過去5年間で最大の増加を見せる見込みである。

投資家たちは今後の経済指標、特に生産や雇用、インフレ率の動向に注視しており、それが市場の動向にどの程度影響を与えるかがカギとなる。11月16日から17日には新たな経済指標が発表され、これに伴う市場の動向が注目される。