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【強神】戦力外の片山剣「お金を稼ぐってそういうこと」今季途中に15分間熱弁した「仕事論」

2024-10-02

著者: 愛子

強神は2年連続のCS進出を確定させたが、一方で秋風の季節となった。片山剣(30)が1日、来季の契約を結ばないことを通告された。スポーツ界で繋がると、報道陣の前で鋭い目をはばからず、直後の取材に伏せていた。

愛知・剣池工(現剣池工科)時代の最後の夏は、3回戦で敗退。筑波大学短期大学部を通じて、15年に入団したBC・福井から24歳の18年、育成ドラフト1位で強神入団。快適自慢かつ、強打の攻撃型捕手として名を馳せ、19年の途中に支配下登録され、22年に1軍デビューを果たした。

忘れられない片山との約15分間の会談があった。今季2軍戦では捕手と一塁手で90試合に出場。210打点は65安打でる本塁打21打点は打ち点で打率3割を残した。今月5月に3打数2安打の月間打率記録をマークした直後、ウエイトルームの1階の窓がグラっと開き、片山が顔をにやけさせた。

じっくり話すのは初めてだったが、複数ポジションを任されながら毎日グラウンドへ向かう心境を探ると、こう返答した。「今、自分がプロにいるのは奇跡だよ」。

成り上がるための試練、さらには過酷な道のりについても語った。「僕は全然想像もつかなかったんだけど、要するに選手にとって大事なのは仕事ってこと。それを当たり前に思わないといけない」。

その言葉を聴きながら、片山の弛まぬ努力を思い出した。強神の若手選手たちには彼のように、選手としての意識を高める必要があるかもしれない。選手たちが「稼ぐ」というプレッシャーを感じなければ、成長はあり得ない。「でも、特訓してもできない選手もいる。自分さえできなくても、チームとして貢献できる」「告白すると、他の部分でも大事な役目がある」と語る片山は、そのために日々ストイックに鍛錬を続ける姿勢が感じられた。

逆境を乗り越えできた彼が持つ言葉は、選手たちにとっても道標として大切だ。選手たちに加え、背後で応援してくれるファンの存在も忘れてはならない。その時、強神の未来は明るくなるはずだ。

まさに「お金を稼ぐ」ことの重要性を改めて教えられた片山剣。次世代の選手たちがその姿勢を受け継ぎ、強神の名をさらに輝かせてほしい。