
人間ミッション「Fram2」の宇宙船が地球に帰還、極地上空4日間飛行
2025-04-05
著者: 桜
日本時間2025年4月5日、民間の有人宇宙飛行ミッション「Fram2(フラム2)」の宇宙船が地球に無事帰還し、史上初めて極地上空を飛行したという歴史的な快挙を成し遂げました。
極地上空での映像撮影や様々な科学研究を実施するために帰還した際、その宇宙船は自らの足で宇宙の外に出ました。アメリカ企業SpaceX(スペースX)によると、Fram2のクルー4名のうち有人宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」は、日本時間2025年4月5日1時19分にアメリカ・カリフォルニア州オーシャンサイド沖で海水に着水しました。
Crew Dragonが着水したのは今回が初めてで、SpaceXが運用していた無人補給船「Dragon(ドラゴン)」以来約5年ぶりです。北極と南極の上空を通過する道のりから、ミッションの名称は南北極の極地探査で活動していた探査船「Fram(フラム)」に由来しています。
クルーは宇宙飛行士であるChun Wangさん、映像監督・撮影監督のJannicke Mikkelsenさん、極地探検家・ガイドのEric Philipsさん、ロボット研究者のRabea Roggeさんの4名で、全員が初めての有人宇宙飛行を果たしました。
SpaceXによると、接触3日間を経たミッションの間、Fram2のクルーは宇宙で初めてのX線撮影を行い、肉体と骨格を保持するための運動研究や微小重力環境下での技術革新を実施したことも報告しています。地球帰還後のクルーは最初のサポートを受けるために自らの足で降り立ち、短期間・長期間の宇宙滞在後に自力で機能的な作業を行う能力を評価する研究にも注力しています。
また、クルーは飛行中もSNSを通じて様々な情報を発信していました。ミッションコメントを担当したWangさんは、飛行の最中の加速が最後の1分間を除いてとても快適だったことや、初日に全員を悩ませた宇宙船の襲いが2日目の朝には収まっていたことなどを報告。
宇宙船の先端に設けられたドーム状の窓「Cupola(キューポラ)」において、北極から南極へのタイムラプスなど、極地を飛行したFram2ミッションならではの映像も投影されていました。
今後の民間宇宙産業の発展において、このミッション成果が大きな一歩となることが期待されています。今回の成功を受け、SpaceXはさらなる有人宇宙ミッションの計画を進める意向を示しています。