
妊娠初期の血液検査で見つかる異常が母親に危険を及ぼす可能性
2025-04-02
著者: 芽依
アメリカ国立癌研究所(NCI)は、2025年3月に発表予定の研究で、妊娠中の女性の血液検査の結果に関連する新たな知見を報告しました。妊娠中の女性は、胎児に関連するDNAの異常を確認するために、通常、妊娠前期に血液検査を受けることが一般的です。しかし、最近の研究では、この不正な結果が母体の健康に悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになりました。
研究チームは、妊娠中にNIPT(非侵襲的出生前遺伝子検査)を受けた女性の100人を対象に調査を行い、異常が見つかった妊婦において、さらなる深刻な健康問題が予測される可能性があることが示されました。特に異常を示すDNAが妊婦自身に由来する可能性が確認され、従来の母体の健康状態を評価する方法では把握しきれないリスクが存在することが分かりました。この発見は、2023年5日に『New England Journal of Medicine』に掲載されました。
また、MRI検査の利点や、NIPTの結果を追跡するための医療現場の利用状況についても言及されましたが、医師は未だにNIPTの異常結果に基づいて日常的にMRIを使用することが少ないと報告されています。科学者のAmy Turriff氏は、「私たちの研究から異常を持つ妊婦に関するディスカッションが増え、母体の健康への影響がより明確になることを期待しています。」と述べています。
さらに、アメリカでは毎年約4200万人の妊婦がNIPTを受けており、その多くがこの新しい知見に注目しています。2011年に商業化されたNIPTは、2020年以降、妊婦に積極的に利用されているこの技術は、母体の血液中に流れる胎児由来のDNA断片を分析することによって異常を検出します。しかし、母体の健康に関連する結果についてのさらなる研究が求められています。
研究者たちは、NIPTを通じて異常の兆候を早期に発見できることで、将来的に妊婦と胎児両方の健康を守る新たな治療法が見つかる可能性があるとの展望を示しています。従来の方法では把握されてきた妊婦の健康問題が、新たな視点から顕在化することは、医療界にとって重要なステップです。これに対処するためには、専門的な医療知識と患者への理解が欠かせません。
このような研究の進展により、妊娠中の女性がより安全に健康管理を行う手助けとなることが期待されています。特に、これらの結果に続く迅速なフォローアップと、効果的な医療介入が求められることから、今後も注目を浴びることでしょう。