ディズニーの「実写」作品の変更は見事

2025年3月21日の「金曜ロードショー」で、2023年の実写版『リトル・マーメイド』が放送されます。

主演の「アリエル」にアフリカ系の歌手であるハリー・ベイリーさんがキャスティングされ、その歌声が賞賛される一方で、どうしてこうなったのか89年公開のアニメ版とイメージが異なるなどの反発の声があった本作は、本編への感想もやはり分かれるということになりそうです。

以下からは、実写版『リトル・マーメイド』の一部内容に触れていきます。

・実写だとデフォルメした表現がしにくいという問題も？

実写版『リトル・マーメイド』に否定的な声があがる理由には、「実写だからこその制約」や「アニメとの表現の違い」も確かにあります。たとえば、カニの「セバスチャン」と魚の「フランダー」には「あまりにカニと魚すぎる」と、そのリアルさに対する疑問の声も出ています。おそらくアニメリメイクで実際性を追求しても、この部分では少々無理があると考えられます。

さらに、悪役の「アースラ」の演技がどうなるのか、また「双子のウツボ」が、まったくいししてはならないことも、アニメ版のファンには納得できないところです。このように、実写化ではナチュラルな表現に期待してしまう反面、アニメ版の持つ独特のユーモアや温かみを感じられなくなる可能性があることも懸念されます。

・実写でのツコミどこの解消も

ともあれ、実写版から良いアップデートがされているポイントも多いです。その一つが、「アリエル」の視点が増えた点になります。アニメ版では特にアリエルの意志が常に優先されるのに対して、実写版では周りの環境やアリエルの選択がより多面的に描かれ、彼女の成長がより際立つようになっています。

このように、キャラクターたちの心理描写や人間関係、価値観の違いなど幅広いテーマが深堀りされているのは、実写版ならではの点です。

また、実写版プロモーションと視聴で得られた結果が新たなファン層を獲得したことも、作品の評価を跳ね上げる要因になっています。日本でも改めて『リトル・マーメイド』の魅力が再評価されること間違いなしです。

最後に、実写『リトル・マーメイド』は、アニメ版とは異なる魅力を発信しながらも、元のストーリーの持つ魔力を引き続き保っている作品です。だからこそ、ディズニーのファンはもちろんのこと、新たな映画ファンにとっても見逃せない存在となるでしょう。