製品写真：液体クロマトグラフィー（LC）および液体クロマトグラフィー質量分析（LC-MS）用の高性能ガラスバイアル「Shim-vial」シリーズ（パッケージおよび本体）

島津製作所は、2025年3月25日から液体クロマトグラフィー（LC）および液体クロマトグラフィー質量分析（LC-MS）用の高性能ガラスバイアル「Shim-vial S Glass」と「Shim-vial H Glass」の海外での販売を開始します。このバイアルは、分析対象の液体サンプルを入れるガラスやプラスチックの容器です。

特に、低吸着特性に優れたこれらのバイアルは、サンプルの損失を最小限に抑えることができ、アナリストにとって非常に重要な製品です。島津製作所は、これらのバイアルを使用することで、LCやLC-MSによる精密な分析結果を得ることができます。昨年の7月から、島津製作所は国内の製薬企業向けに販売を開始しており、医療や研究におけるニーズに応えています。

今後は、欧米や中国、東南アジア、インドでの直販を通じて、グローバルな顧客へのトータルソリューションの提供を実現します。これにより、海外市場でも競争力を持つ分析機器を広め、グローバルな研究の推進に寄与していく予定です。

「Shim-vial S Glass」と「Shim-vial H Glass」の特長：

1. サンプル吸着を抑える特殊処理

これらのバイアルは、米国薬局方（USP）でType Iガラスとして認定されており、特別な成分処理を施すことで、表面コーティングによるサンプル吸着を制限しています。「Shim-vial H Glass」では、工程を追加することでさらに吸着を抑制し、LCやLC-MSによる微量分析の信頼性を高めました。

2. 安定した分析性能

複雑な成分分析において、バイアルが金属イオンなどの影響を受けることがあるため、注意が必要です。このバイアルは、サンプル中の成分に対して安定したパフォーマンスを提供し、結果の異常を防ぐための設計がされています。

3. 高い信頼性を基盤とした全数検査

医薬品のボトリング素材として使用される同類の製品と同じ設定を用いて製造されており、全数検査を通過したサンプルを提供します。これにより、特に重要な低バックグラウンドや低吸着特性が検証され、多様な分析における確実な運用が期待されます。

「Shim-vial S Glass」と「Shim-vial H Glass」は、医療研究のための最初の分析結果の信頼性向上へ貢献する製品です。今後も同様の製品の開発が予定されており、国際的な市場でのシェアを獲得する覚悟です。さらに、同社はこれらの製品を用いたトータルソリューションを国内外の顧客に向けて提供し、研究機関や製薬企業における分析精度の向上に努めていきます。