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台湾、国慶節に際して中国人2人を強制送還 「台湾は中国の一部」と香港人デモ

2024-10-03

【台北=西見由紀】台湾の対中政策を主管する大陸委員会は3日、台北市内で香港からの亡命者らが行っていた中国への抗議デモを摘発し、「台湾も香港も中国の一部だ」と主張した中国人2人について、強制送還したと発表した。

台湾メディアやSNSに拡散されている動画像によると、台北市の繁華街で1日に香港出身者らが「光復香港 時代革命(香港を取り戻せ、時代を革命せよ)」と記した旗を持って中共に抗議していた。その中で、中国人男性が「今日は中国の国慶節だ。こんな旗は許されない」と旗を奪おうとしたところ、抗議者と口論になり、警察が駆け付けて事態は収拾されたという。

デモ参加者らが「ここは台湾だ」などと抗議する一方で、男性は「台湾も中国の一部だ」と声を張り上げ、騒動は更に拡大した。デモ参加者は、「今の時代にそんな考えは許されない」と反論し、警察は双方を制止しつつ、中国人男性2人を一時拘束。後に、彼らは強制送還されたことが明らかになった。

大陸委員会は声明を出し、「国家安全の観点から、(強制送還は)不適切行為に対する適切な措置である」と述べ、中国からの亡命者らによるデモ活動を強化してゆく姿勢を明らかにした。

今回の出来事は、台湾での中国人観光客の増加に伴い、台湾での中国に対する意識の変化を示すものとも言われており、中国との関係がどう変化していくのか、今後の動きに注目が集まっている。