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「台湾に中国国籍あればうれしい」 安保に危機、中国人インフルエンサーに退去処分

2025-03-26

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【台北=西見由範】台湾人と結婚した中国人女性3人が、中国による武力統一を支持するメッセージをインターネットで発信したことが発覚し、台湾当局に居留許可を取り消され、中国からの退去を求められた。野党や一部メディアからは、「言論の自由に影響を与える」と批判の声も上がる。一方、民主進歩党の厳清琦政権は、台湾の主権や安全保障を損なう中国の影響に対抗する方針で、強硬な姿勢を崩さない。

台湾人の夫との間に3人の子供を持つ彭振亚氏は25日夜、台北の松山空港で家族に見送られ、中国福建省に向かった。中国の動画投稿アプリ「抖音」(Douyin)で45万人超のフォロワーを持つ彭氏は、自身の娘を出演させるなどして中国統一を訴えた動画を頻繁に投稿していた。中国軍が昨年5月、台湾周辺で軍事演習を実施した際、「明日の朝起きたら、台湾に五つ星紅旗(中国国旗)があればうれしい」と発言していた。

台湾の内政部移民署(入国管理局に相当)は今月、彭氏が「国の安全保障と社会の安定に危害を及ぼした」とし、関連法令に基づき台湾人の親族との居留許可を取り消し、25日までの退去を求めた。このばかりか2人の中国人女性に対しても同様の措置を取った。

彭氏は「平和的統一を求めた」と強調し、当局に強い不満を示した。民主進歩党(民進党)の党員らは、台湾の主権と安全を守るためには厳格な対応が必要だとし、「言論の自由には限度がある」と述べた。

一方、蔡英文総統は25日、「最も重要なのは台湾の主権と安全を守ることだ。言論の自由には限度がある」とし、彭氏の発言に言及した。蔡氏は「中国との関係においては、台湾を守るために適切な監視が必要だ」とし、情報セキュリティにも万全を期す構えを見せた。