トランプ次期米大統領による財務長官の人選はなお流動的な状況だ。トランプ氏はこれまでに面接した候補者について、完全には決定していないと周囲に話している。

ヘッジファンド運営会社キー・スケール・グループ創業者のスコット・ペシュント氏、投資会社アポロ・グローバル・マネジメントのマーク・ローワン最高執行責任者（COO）、ケイン・オイシワシュ元連邦準備制度理事会（FRB）理事が依然として有力候補とされる。また、トランプ氏が面会したとされる２０名の候補者の中で、彼自身が最終決定するかどうかはまだ不透明だ。

不決定の理由は、トランプ氏が自らの経済政策の骨子に合致する人材を選びたいためだが、トランプ氏はその政策案さえも熟考中で、具体的にどのような基準で人選を行うのかも明確になっていない。さらに、これらの候補者の中には、トランプ政権の政策に対して批判的だったり、あるいは異なる経済観を持つ者もおり、最適な人選が難航している。

また、経済政策に関する非公式なアドバイザーが集まる場での意見交換や、待遇に関する合意形成も滞っているという。

トランプ氏は、ウエストストリートに拠点を置く投資家らからのサポートを期待しており、その意味でも経済政策に関する確固たるビジョンを持ちたいと考えている。次期財務長官候補が見当たらないこの状況は、米国の経済政策にも不安をもたらしかねない。

トランプ氏はまた、直近の財政政策を担当する人材選定に非常に慎重になっている。政府の専門家たちによると、「今後の経済政策は非常に重要で、また新たな税制度が導入される可能性もあるため、適任の財務長官の選定が急務」と強調されている。トランプ氏が早急に必要な人選を行わない限り、米経済の混乱が続く懸念がある。

さらに、トランプ氏が次期財務長官にどのような条件を求めているのか、その詳細も未知数であり、候補者たちの中には不安を感じている者も多い。特に、新しい指導的立場に就く者として、トランプ氏の経済政策に対して否定的な意見を持つ者を選ぶことに対して一部から反発が起こる可能性も否定できない。

果たして、トランプ氏は最終的に適切な人選を行い、米国経済に安心をもたらすことができるのだろうか。次回の発表には注目が集まる。