[メキシコ市 19日 ロイター] - トランプ次期米大統領が予定している高関税は、米国企業に甚大な影響を及ぼす可能性があるため、見直しの必要性が論じられている。この高関税は、米国企業がメキシコでのビジネスを展開する際の大きな障害となるもので、メキシコ政府としてはこれに対し楽観的な見方を示している。

エルラルド氏は「メキシコの交易力にはそれ相応の問題がある」と語り、国内に事業拠点を置く多国籍企業の数を強調した。トランプ政権の関税政策が米国の中小企業に及ぼす影響は無視できず、ある調査によれば、大企業よりも中小企業のほうが関税の影響をより強く受けるという。

また、エルラルド氏は、来年1月20日のトランプ大統領就任以来、次期米政権の貿易政策とその影響を見極める準備を進めていると述べた。

エルラルド氏は米国がメキシコとの貿易関係を強化するために「後口」として利用していると語った。これは、米国がメキシコを通じて他国との取引を進めつつも、メキシコ国内の資源へのアクセスを確保しようとする動きである。

同時に、彼は中国への投資が減少し、米国がそのシェアを取り戻すことによって、メキシコの経済にもポジティブな影響をもたらすと考えている。実際、米国の北部地域への投資は嫌気を感じることが増えてきており、その結果、メキシコに向かう資金が増加する可能性がある。

エルラルド氏が最近において行った投資家との面会では、テクノロジー関連の企業がメキシコに興味を示しており、特に自動車関連の分野での投資が期待されているとのこと。これは、国内での製造業の強化を図るための一環であり、今後の経済成長にもつながる可能性が高い。

また、エルラルド氏自身が関与している別のプロジェクトでは、メキシコが持つユニークな地理的条件と市場へのアクセスを利用し、地域性を生かした製品の開発に取り組んでいる。これにより、メキシコの競争力がさらに向上することが期待されている。

今後の動向については、米国の政権交代が直接的な要因となるため、業界関係者は注意深く見守る必要がある。トランプ政権下での新たな貿易政策がどのような形でメキシコの経済に影響を与えるのか、注視することが求められる。