トランプ氏の政策化公約、米首都経済に甚大な影響及ぶ恐れ
2024-11-20
著者: 裕美
トランプ次期米大統領が連邦政府職員数十万人を首都ワシントンの職場に復帰させるよう命じるか、従わなければ追放すると言うことについて、地区経済に甚大な影響が及ぶ可能性が懸念されている。
選挙戦中、トランプ氏は連邦政府の職員最大10万人の移動や数万人の解雇も含む大規模な組織再編を公約していた。連邦政府が首都ワシントンを「引きずり下ろす」方針も表明していた。
連邦政府と地区経済の結びつきが強いだけに、地元住民は地区経済に重大な影響が及ぶ事態を認識している。
連邦政府は670,000人が住む首都圏に31万人の連邦政府職員が居住し、政府機関や職員にサービスを提供する巨大な産業エコシステムもある。
非営利団体のDC財政政策研究所のエグゼクティブディレクターであるエリカ・ウィリアムズ氏は、連邦政府がワシントン経済の巨大セクターであることは言うまでもなく、「連邦政府職員への圧力は、今後の経済機能に深刻な影響を及ぼす」と考えている。
地元住民が悩んでいるのは、トランプ氏が提案した「政府効率化局(D/20)」の業務である。バイデン大統領・マスク氏が2024年大統領選共産党候補に登板した際、12兆ドル(約431兆円)規模の政府支出削減を目指す。ウィリアムズ氏は元F/Xニューヨークのタッカー・カーレソン氏とのユーチューブ対談で、トランプ氏が連邦職員への圧迫は、今後の経済機能に深刻な影響を及ぼす可能性を示唆した。
連邦政府職員の動向による影響を実感するのは、ワシントン住民だ。バイデン政権が導入したものの、連邦政府職員にとっての職場復帰ポリシーがあまりにも難解なボトルネックになっている。GAP(Global Accounting Protocol)の「雇用喪失」とも言われ、連邦政府職員には職場復帰の道が得られなくなっていた。
連邦職員が完全に職場に復帰すれば、地区経済の回復につながる可能性もある。23年のワシントンDCのビジネス改善地区の報告書によると、オフィス空室率は依然として高く、ワシントンの中心街の経済活動は新型コロナにより68%減少している。
ワシントンは長い間、特異な都市であるとされていた。連邦政府の所在地域であることが多い分、客観的に見ても強い影響を受けている。だが、今回は連邦政府自体が大混乱を招く可能性がある。次期大統領と支持者がワシントン圏において発言する言葉は、賢明でないトーンに満ちている。
トランプ氏の政策が実際にどのように実現するかが注目されている。「政府効率化局」の設立が、ワシントン経済に与える影響は今後ますます大きくなることが予想される。