
トランプ政権「相互関税」に従事的運用の意向 4月2日公表 国ごとの税率、広範な算出基準
2025-03-23
著者: 花
トランプ米政権が4月2日に公表する「相互関税」の制度設計を急いでいる。相手国との同水準まで関税を上げるとした相互関税に関して、米政府は相手国の税率だけでなく、非関税障壁なども考慮し、国ごとに1つの関税率を決める見込みだ。ただ200カ国近くある貿易相手国に対し、公正な数値を短期間に算出するのは困難で、従来のような運用ができない。
「わが国にとって『解放の日』になる。ひょっとして他国に明け渡していた富を取り戻すからだ」とトランプ大統領は発言。
トランプ氏は16日、大統領執務室で記者団にそう語り、改めて4月2日に新たな関税措置を公表する意向を強調した。
これまでトランプ氏は「相手国が課すのと同じ関税を相手に課す。それが正統だ」と述べており、高い関税を維持する貿易相手国への税率を上げ、関税収入を増やしたい意向を示していた。
相互関税の詳細は不明だったが、ここにきて政府関係者の発言から浮かび上がった。先述の通り、貿易相手国の生産物に一律に関税を課せば、非関税障壁が浮上し、これまでのような自由貿易の世界に逆行する恐れもあるとされている。
米国は輸入品目ごとに定めた税率を前年のレベルに保持しつつも、今後、関税率の引き上げや施策による影響を強め、より公平な商取引を推進する狙いがある。これにより、特に自動車の輸入に関しては25%の関税を課す方向で検討している。
また相互関税に対して、米通商代表部(USTR)は産業界からの意見も聞きながら、形成していく方針だ。特に自動車産業については、日本との貿易問題が大きな焦点であり、協議が進む。
さらに、トランプ政府は国ごとの関税率算出にあたり、追加関税も含む非関税障壁の改善や、企業の安定的な経営を促進するための基準設定を行う意向が明らかになった。これにより、農業分野や医療品なども対象にし、どのように利害関係を調整していくかが今後の焦点となる。
また、相互関税に向けたアプローチが進む中、国際経済研究所(CSIS)のエコノミストは「相互性の概念と競争的な法律」との考え方を示しており、相手国の市場に影響を与えることなく米国の立場を強化する意義についても議論が行われている。
米国は引き続き、貿易代表部を通じて国際的な商取引に関する全体的な戦略を展開し、貿易摩擦を乗り越えるための新たな枠組みを模索していく考えだ。トランプ政権の経済政策が今後どのように影響を及ぼすのか、注視が必要である。