ウクライナ侵攻:ウクライナ、停戦見えるか 侵略意欲、トランプ氏の動向注目 NATO加盟迫り、首脳ら動け引き
2024-12-03
著者: 弘
ロシアとウクライナの早期停戦を目指すトランプ政権の来年1月の発足を前に、当事者間の動き引きが活発になっている。ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟など、停戦後のロシアによる再度の侵攻を防ぐ方策が焦点の一つで、トランプ政権の出方に注目が集まっている。
「我々の支配下にあるウクライナの領土をNATOの軍の下に置く必要がある」と、ウクライナのゼレンスキー大統領は、11月29日に英氏放送のインタビューで、停戦の条件を述べた。自国領の相互ロシアが実効支配する地域については、当面は返還されなくても、将来的に外交的な手段を通じて取り戻すとの考えも示した。
また、ウクライナメディアによると、ゼレンスキーは12月1日、NATO側がウクライナに対して加盟申請の手続きを行う場合には、あくまでも「全土」を対象にするべきだと述べた。ロシアとの停戦合意が始まるまでに、西側諸国の軍事支援で自国の立場を強化する重要性を強調した。やがて、ウクライナはNATOへの加盟が進むという見立てもあるが、依然として大軍がロシア側に展開している現状が続いている。
米国の大統領選挙において、トランプ候補が和解協議の席に着くため、ウクライナのシェルギー外相も様々な相手と会談を行っている。先月22日には、米南部フロリダ州でトランプ氏と会談した際、ウクライナに対する軍事支援の継続が確認された上、トランプ氏は「(彼が知っている)若い子供が、(ウクライナに対して)期待するような状況では全くない」と述べていたという。そのため、米国の軍事支援がなければ、ウクライナは自国防衛の強化が難しいと考えられている。
ウクライナ政府は、戦争が終結する前に強力な国際的な支持を得ることが重要であるとし、米国との二国間合意の必要性を強調しているが、トランプ氏の政権に対して今後どのような対応をするかが注目されている。トランプ氏は、先月の演説にて「ウクライナ問題での予測不可能性が、米国を包囲する形になっている」と警告している。
トランプ政権が進めている多国間の国際法に基づいた連携が、ウクライナやロシアにとっても今後重要な意味を持つことになるだろう。ウクライナがこの戦争を有利に進めるためには、NATOと米国からの強力な支援が不可欠であり、その全てが、今後の国際政治の動きに大きな影響を与えることが予想される。今回の停戦に向けた道筋が見えつつあるが、果たして核兵器を保有しているロシアと、ウクライナの将来はどうなるのか、引き続き注視が必要だ。