
ウクライナ戦争:ウクライナの操縦士原発、停戦なら数ヶ月で再稼働も
2025-03-27
著者: 海斗
[ウクライナ 16日 リター] - 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が16日、ロシアが占領するウクライナ南部のザポリージャ原発について、ウクライナ戦争の停戦が実現すれば数ヶ月以内に再稼働できる可能性があると発言した。
停戦が実現すれば、数ヶ月以内に運転を再開できる条件は整う一方、原発全体の再稼働には1年以上かかる見込みだ。
ザポリージャ原発は戦争前にウクライナの電力供給の20%を担っていたが、戦闘に近い場所にあるため、運転が停止しており、危険な事態が発生する恐れも増している。
グロッシ氏は「われわれが望んでいるのは、この地域で戦闘が行われていないということを確認できる瞬間が来ることだ」と語り、終戦に期待を示した。
トランプ米大統領はウクライナ戦終結とロシアとの関係改善に取り組んでいるが、IAEAはそうした動きに参加していない。ザポリージャ原発は国際法上ではウクライナに属しているが、IAEAは実際にはロシアと協力している。
グロッシ氏によれば、停戦の兆候があれば、同原発の安全やセキュリティ条件についての発表がある可能性がある。原発の安全性や全体的な状態について言えば、ロシアによる占領下においては一定の基準を満たしているとされている。
グロッシ氏は「原発の安全性や全体的な状態に関して述べれば、ロシアにより直接管理されている」と語り、保護作業の一部は、本来あるべきはずの何十万もの人々には及ばない可能性があると警告している。これは戦争の影響によるものだ。
「原発の安全性や全体的な状況について言えば、ロシアによって求められる規範に従った管理が必要だ」とグロッシ氏は言う。さらに、夏場の暑さが再稼働とそれに伴う安全保証を難しくする可能性があるとも指摘した。ザポリージャ原発の再稼働がいつになるかは、状況次第で変わる可能性が高い。