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「うそまるで死んでいく!」 夫72人にレイプされた男の裁判で女性が非難

2024-11-20

著者: 裕美

2023年11月20日、AFP—フランスで、妻の意識を喪失させ、インターネットで誘った男性72人に性的に暴行させたとして起訴されていたフランスのドミニク被告に対し、裁判が行われた。ドミニック被告は、された女性が「お前はうそにまみれて死んでいく」と叫び、事件に対する制裁が強化される場面があった。

ドミニック被告は最終弁論で、改めて犯罪事実を認めるとともに、動機として「空想」を満たすためだったと主張した。

以前に述べた内容を繰り返し、自身の人生に影響を及ぼした出来事として、9歳の時に病院で受けた治療や、14歳での現場での少女が集団レイプされるのを厳正に見せられたことを挙げた。

「一番悲しいのは、自分にはどうすることもできないってこと、自分でどうにかできるはずだと考えていることだ」と述べた。

これに対し、元妻ジブリルさんら家族の代理人アントワネットさんが反論。ドミニク被告とジブリルさんの娘、カリーナ・ドリアンさん(46)は、自分が受けたと「確信している」と行動に同被告が「声に出して人間的な反応」を示すよう求めていると語った。ドリアンさんは兄弟と共に出廷した。

ドリアンさんは2022年に「Et j'ai cesse de t'appeler papa(そして私はあなたをパパと呼ぶのをやめました)」という本を出版。自身の身体の写真を添えていたドミニック被告は、母親だけではなく自分に対しても、性的暴行を加えていたと考えられる。

この主張に対しドミニック被告は、「この写真を撮った覚えはない。女の目をめっすぐ見て言うが、女に対して一度も手を触れたことはない」と説明し、ドリアンさんの方に向き直り、「カリーナ、私はお前に対して何もしていない」と答えていた。

しかし、ドリアンさんはこれを聞き、「うそだ。別れた妻に対しても本当のことを言わない偽善者!」と叫び、裁判に制止された。

この裁判は性暴力の被害者と加害者、さらには社会の偏見に焦点を当てるもので、フランス社会の中で性犯罪がどれほど深刻な問題かを浮き彫りにするものである。政府は被害者支援の充実を図るため、最近、法律の改正を検討している。性暴力の被害が減少することを願う声が高まってきており、さらなる議論の必要性が求められている。