
外為10時円相場が続落139円台後半実需の売り観測で
2025-03-19
著者: 蓮
19日午前の東京外国為替市場で、円相場が続落し、10時時点では1ドル=149円59〜60銭となり、前日の17時時点と比べ24銭の円高・ドル安となった。前日の米金利低下を受けて円買い・ドル売りが優勢となっているものの、輸入企業など国内実需の円売りが強まり、円相場を押し下げる要因となっている。
円相場は149円64銭近辺まで上昇幅を広げる場面があった。20日が祝日であるため、19日は業界会社の決算が集中する実質的な「5・10日(ごともおり)」にあたる。10時前の中値決済に向けて市場では「ドル不足」(国内銀行の為替担当者)との声が聞かれ、国内輸入企業などによるドル資金の調達が多かったとの観測から円売り・ドル買いが出た。
19日午前は日経平均株価が200円以上上昇する場面があった。前日の米株安にもかかわらず、日本株は堅調で投資家心理の悪化に歯止めがかかっているとの見方が広がっている。「低リスク通貨」とされる円の売りが進み、円の売りを促した。
財務省が19日発表した2月の貿易統計速報では、輸出額から輸入額を引いた貿易収支は5845億円の黒字だった。黒字額は市場予想(7397億円)より小さかったものの、円相場を上向ける材料とはなっていない。
円は対ユーロでも上昇幅を広げ、10時時点では1ユーロ=163円59〜62銭と、同24銭の円高・ユーロ安だった。ユーロは対ドルでも上昇が続いており、10時時点では1ユーロ=1.0934〜35ドルと前日から横ばい状態に推移している。日銀の金融政策に関連して、円相場は引き続き注目される。
円安の影響を受けて日本の輸出関連企業は業績を伸ばしている一方、輸入者側はコストが上昇する懸念が高まっている。この影響を受け、今後の為替市場の動きが注目されている。国際情勢や経済指標などが影響を与える中、市場の変動には今後も警戒が必要だ.