
血糖値「750」!人間なら死んでいる……異様な高血糖でコウモリが生きられる理由とは
2025-03-21
著者: 陽斗
コウモリの中には、人間なら死に至るほどの異常な高血糖状態で生存している種が存在します。これは、コウモリがどんな環境でも生き延びられるように進化してきた結果だと考えられています。このような変化は、糖尿病治療における新たな可能性を示唆しています。
アメリカのミズーリ州立大学で行われた研究によれば、特定のコウモリの種は750mg/dL以上の血糖値を示すことがあり、これが「ハイ」と表現される状況です。この研究は国際的なジャーナル「Nature Ecology & Evolution」にも報告されています。
Jasmin Camacho氏による研究では、29種類のコウモリを調査し、適応的な應力を受ける中で生き続ける能力に関する洞察を提供しています。「コウモリの体内で糖が吸収され、消費されるプロセスが、特定のように異なるかを観察した」とCamacho氏は説明しています。
研究が進む中、特に環境に適応する能力が明らかになりつつあります。例えば、3000万年前の新温帯域に生息していたあるコウモリは、鼠や果物などを食べて生き延びていました。しかし、その後、環境に変化が訪れ、コウモリはその食性を変化させたと考えられています。
Camacho氏の研究から得られた知見は、特に高血糖状態を管理するためのインスリン信号経路の理解を深める手助けとなるでしょう。さらに、「このような変化は、新たな糖尿病治療法の開発に寄与する可能性がある」と彼女は述べています。
また、研究者Nadav Ahituv氏は、「コウモリの異なる糖質代謝特性が、食性の適応に関連する可能性を示唆している」と言及し、今後の研究に期待を寄せています。また、異なる種間での比較研究や新しい治療法の開発に役立つ情報が、この研究から得られる可能性があります。
この発見は、われわれ人間にとっても重要な意味を持ち、糖尿病に関する新たな治療法の革新につながるかもしれません。新たな治療法が開発されることで、糖尿病患者の生活が大きく改善されることが期待されています。これからの研究に注目です。