健康
血友病B、AAVベクターfidanacogene elaparvovecが有効と判明!
2024-10-10
著者: 海斗
血友病Bの患者に対して、fidanacogene elaparvovecによる治療が新たな希望となっています。この治療法は、従来の定期的な補充療法よりも優れた効果を示し、出血の頻度を減少させることが確認されました。米国・ペンシルベニア大学のAdam Cuker博士らの研究チームは、13カ国27の施設で実施された非盲検単群第III相臨床試験「BENEGENE-2試験」の結果を発表しました。
この治療法は、高活性のFIX-R338L変異体(FIX-Padua)を発現する遺伝子を含むAAVベクターを用いて、血液中の凝固因子FIXの活性を持続的に補充することを目的としています。結果として、患者の出血エピソードは大幅に減少し、治療の安全性も確認されました。
血友病Bは、遺伝的な凝固因子欠乏による病気で、出血傾向が強く、治療には長期的な管理が必要です。新しい取り組みとして、この遺伝子治療はより効果的で簡便な治療法として期待されています。
患者のQOL(生活の質)の向上にも寄与する可能性があり、今後の臨床試験や実施に注目が集まっています。この治療が普及すれば、血友病B患者の未来は大きく変わるかもしれません。
(病学リポーター 高田 健太郎)