新たな物理法則が「裏ルール」に対して示唆する可能性が存在する
2024-11-26
著者: 愛子
はじめに
物理法則をテーマに「メタ発言」をやってみた
アニメやマンガでは登場キャラクターがしばしば「このアニメって基本○○だよね」とか「◯◯君って映画版になると調子よくなるよね」といった発言をすることがあります。これを超える発言を行い、視聴者を困惑させることがあります。
このような作品を駆使して地方から修正(ばくん)するようなセリフは、言ってしまえば「メタ発言」と呼ばれ、メタ発言に対して超えられる作品と現実の間の壁は「第4の壁」と呼ばれることもあります。
メタ発言は上手く使えば視聴者の共感を得られる場面もありますが、作品の世界観を台無しにする危険なものです。
一方、学術分野では、他人によって作成された複数の論文のデータを統合して、新たな知見を導くことを「メタ研究」と呼んでいます。
1つ1つの論文が研究者が構築した世界とするなら、メタ研究はそれらを複数集めて修正的な視点で眺め、より一般的な答えに辿り着くことを目指しています。
物理法則とメタ発言
同様のメタの概念は物理法則や数式についても当てはまります。特定の物理法則について描かれている数式は、その法則を規定する1つの世界のようなものです。
たとえたらニウスの運動法則は物体の運動に関する1つの世界観を提示しています。
そこにアニメやマンガの登場人物のような仕掛けを与えれば、彼らが加入することを示唆するような「メタ」に関連する法則に遭遇することができます。
ここにアニメやマンガの登場キャラクターに相当するE(エネルギー)やM(質量)、V(速度)などの具体的な名前と役割を持つ記号が登場し、彼らが協力し合って1つの世界観、つまり今日の数式を組み立てていくのです。
物理法則の独自性
さらにアニメやマンガと同じように、ニウスの運動法則が描く世界は、他の物理現象に対しても同じように当てはまるわけではありません。
ドラゴンボールとネットの世界観がどれほどかみ合わないように、ニウスの運動法則の描く世界は、他の物理現象に関しても同じように当てはまるわけではないのです。
そのため異なる物理法則について記述する数式は、他の物理法則とは切り離して考えることが一般的です。
学校のテストでも電気計算の問題を解くのに熱力学の公式を引用する人は「天才」と言われていますが、たといその人が「天才」だとしても数式は全く異なるため、自然は1つであるとても大きな難しさがあります。
物理学の歴史
そのため異なる物理法則を記述する数式は、他の物理法則とは切り離して考えることが一般的です。
結果として、人類は場面にあわせた無数の物理法則と数式を発明することになりました。物理学の歴史は、新たな法則や新たな数式の発見の歴史とも言えるでしょう。
そして新たな法則や数式が増えていくたびに、新たな記号の追加も進んでいきました。
しかも増え続ける法則や数式に対して疑問を抱いている人々も存在していました。
無数の法則と自然の一体性
物理法則は無数に存在しますが、自然は1つです。
つまり無数の物理法則は、自然と1つであることを求められています。
最後に、私たちの存在そのものが、数式の集合体である可能性も秘めています。どんな法則でも、我々の知識のうち常に変わりゆくものです。見逃がしがちな物理法則や数式も、私たちの生きる証となり得ます。