健康

新型コロナウイルス後遺症のリスクを21%低下させる可能性がある2型糖尿病治療薬に関する新たな研究

2024-10-09

著者: 蒼太

最近の研究によると、2型糖尿病治療薬メトホルミンが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの回復後に見られる持続的な症状、いわゆる「ロングCOVID」のリスクを21%低下させる可能性があることが示されました。この研究は、ミネソタ大学のキャロリン・ブラマンテ教授らによって行われ、最新の医療ジャーナル「Diabetes Care」に発表されました。

ロングCOVIDは、慢性的な疲労や呼吸器系の問題、注意力や記憶力の低下など、多様な症状を引き起こすことが知られています。米国内の数百万人がこの症状に苦しんでいると推定されています。特に、糖尿病患者はこれらの後遺症を患うリスクが高いとされています。

研究チームは、2型糖尿病患者の中でメトホルミンを使用している約7,000人を対象に分析を行いました。結果、COVID-19に感染した後のロングCOVIDの発症率が、メトホルミンを使用している患者では未使用の患者に比べて約21%低下していることが明らかになりました。

ブラマンテ教授は、「メトホルミンは世界中で最も一般的な糖尿病治療薬の一つであり、その安全性が確立されています。もしこの薬がロングCOVIDの予防に寄与することが確認されるなら、非常に重要な治療手段となる可能性があります。」と述べています。

この研究の結果は、ロングCOVIDの予防や治療に向けた新しいアプローチを探る上で重要な情報を提供するものであり、さらなる研究が期待されています。患者や医療従事者にとって、これらの発見は新たな希望をもたらすかもしれません。