
健康
新型コロナ重症化メカニズム、マウスで解明 東大研究チーム | 毎日新聞
2025-03-26
著者: 陽斗
新型コロナウイルス感染症で重症化するメカニズムをマウス実験で明らかにした、東京大学の新世代感染症センターの研究チームが発表した。特に白血球の一種が異常に接触することが影響を及ぼし、血流が滞り、重篤な状態を引き起こす可能性が示された。
研究によると、高齢者や基礎疾患がある人は重症化しやすいことが知られている。それに加えて、白血球が血管内で異常に接触することが重篤な状態につながっているという。
研究チームは、7種類のマウスを用いて基礎疾患のモデルを作成し、それらのマウスに感染させた。すると、感染してから数日で異常な白血球の接触が確認され、これに関連する血流の変化が見られた。
このモデルでは、白血球の一つである好中球が血管にとどまり、血流が滞ることが示された。さらに、重症化の要因として好中球の異常接触が重要な役割を果たすことが確認された。研究結果は、白血球の併発症についての理解を深めるものであり、重症化を予防する新たな治療戦略の開発への期待が寄せられている。
東京大学の河合教授は「血流が滞るメカニズムは今後の研究でさらに深く掘り下げていく必要がある。今回の結果は、新型コロナウイルスに対する治療法の革新に繋がるかもしれない」とコメントした。この研究成果は、英語の科学誌『ネイチャー』に掲載される予定であり、世界中の医学界から注目を集めている。新型コロナウイルスの変異株が次々に出現する中、感染症治療の新しい道を切り開く可能性がある。