日本において、末期腎不全のために透析を受けている患者は34万人以上に達し、年々増加しています。透析患者は低栄養・消耗を経て死亡リスクも関連することから、腎臓病・食事療法の重要性が再認識されています。近年の研究では、透析患者においてアリカリ性食品（野菜や果物の摂取）によって酸負荷を制御することが、慢性腎臓病（CKD）患者の健康に寄与するとされ、食事療法が注目されています。さらに、最近の研究により、透析患者における「潜在的腎酸負荷」（PRAL）の値が高いほど、10年後の死亡リスクが高まることが示されました。

新たな研究では、PRALが高い食品の摂取が死亡リスクに強く結びついていることが確認されました。具体的には、野菜や果物などの摂取量が少ない患者は、10年後の死亡リスクが増加する傾向にあることがわかりました。このことは、腎臓病患者に対する栄養指導において重要な示唆を与えています。研究によれば、PRALが高い食品を控え、野菜や果物を豊富に摂取することが、健康維持に繋がる可能性が示されました。

この研究結果は、今後の透析患者向けの食事ガイドラインに大きな影響を与えるでしょう。腎臓に優しい食事を心掛けることが、患者の健康寿命を延ばす鍵となるかもしれません！

【要旨】

・慢性腎臓病患者における低栄養の問題

・PRALの高い食事が死亡リスクを高める

・野菜や果物の摂取が健康に寄与する

【関連研究情報】

・「腎臓栄養学ジャーナル」で発表された論文