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一晩で10万人超が一斉サイクリング、「道一芯が自転車でさがる」…中国政府は抗議行動再燃を抑制し外出規制も

2024-11-25

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【上海・田村美範、北京・澤波大貴】中国政府による「コロナ」政策に反発する者らが各地で白い紙を掲げて抗議した「白紙運動」から11月下旬で2年となる。今年の中国では経済低迷で都市部の失業率が高止まりしている中、当局は抗議者への絞め付けを強化し、抗議行動の再燃に対する警戒感を表に出している。

河北省の大学生らの深夜サイクリング

河北省の邯鄲の大学生らは今月18日、約150キロ・メートル離れた開封に向かう深夜サイクリングを実施した。深夜サイクリングは地元の大学生らの間で流行していた。

流行のきっかけと変化

流行は邯鄲の女子学生4人が6月、開封の名物料理を食べに向かう様子をS.N.3に投稿したことがきっかけで、当初は官製メディアも「地元の観光業が活性化する」と肯定的に報じていた。しかし、抗議者が大挙して状況は一変した。

大規模な行進と交通問題

米政府系のラジオ自由アジア(RFA)によると、18日夜は120万人超の大学生らが一斉に開封に向かって行進した。主要道路では大渋滞が発生しており、深夜サイクリングの人気ぶりが伺える。深夜サイクリングには、自転車利用の規制との矛盾が指摘されており、交通規制が新たな問題に発展する可能性もある。

政府の規制と大学生の抗議

政府は厳しい規制を課しており、開封市内では大学生に外出するなと忠告していた。また外出途中で白い紙を掲げて抗議する人が多く、政府はその活動を取り締まる意向を示している。大学生らが抗議行動に参加することは、今後も当局の厳しい目が向けられることを意味する。