科学

「宇宙ごみ」問題、2024年に一段と悪化か-欧州宇宙機関が警告

2025-04-02

著者: 裕美

欧州宇宙機関(ESA)は最新の報告書で、地球の軌道上に存在する宇宙ごみの問題が2024年に大きく悪化する可能性があると警告しています。

中国が昨年8月に打ち上げたロケット「長征6号21」が地球低軌道で爆発したことから、この問題に対する注目が集まっています。過去30年で最も大規模な宇宙ごみ発生となり、この問題に対する関心が高まっています。

宇宙空間での古いロケットや人工衛星の破片は、商業通信衛星などに衝突し、深刻な損傷を与える可能性があります。

ESAの報告によると、宇宙ごみの量は急増しており、昨年だけで約18%増加し、4万個を超える宇宙ごみが確認されています。

ESAは「軌道上で宇宙ごみの量が急増し続けている」と指摘し、小さな宇宙ごみでも人工衛星に影響を及ぼすことがあるため、破片量の増加がさらなるリスクをもたらしているとしています。

危険をもたらす宇宙ごみは、現在24000個以上の大きな破片に加え、1.2万個の直径10センチ未満の破片が存在しています。

また中には、2025年までに約5700個もの新しい衛星が打ち上げられる計画もあるため、宇宙の混雑はますます深刻になることが予測されています。特に、スペースX社が展開するスターレインという数万の衛星から成る計画は、宇宙環境への影響が懸念されています。

最近、ESAは宇宙ごみの監視を強化するため、独自の追跡システムを開始し、持続可能な宇宙活動を推進するための規制を設けると述べています。これにより、今後の宇宙開発がより安全なものとなることが期待されています。

特に、宇宙ごみの動向を正確に把握し、専門家たちの認識を高めることが急務とされており、この問題に対する国際的な協力も欠かせない要素となります。このように、宇宙ごみ問題は未来の宇宙活動において避けて通れない課題となるでしょう。