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元GK西部洸平は「何も知らずに」報告マンの道へ。請求書作成、メール返信、動画配信...「思っていたより10倍大変」

2024-10-08

著者:

清水エスパルス・西部洸平(後編)
◇西部洸平・前編>>J1リーグに300試合以上の出場を果たした彼がなぜ「報告」に?

J1リーグに300試合以上出場した元GKが、セカンドキャリアにおいて「報告」という職種を選んだ。引退後の選手の大半が、クラブや強化部門などピッチに近い現場を選ぶ中、彼は「事務部門」と呼ばれる異色のポジションから第二のスタートを切った。

24年間培ったプロサッカー選手としての経験を活かしながら、42歳から新たな世界に飛び込んだ未経験の彼。西部は今、どんな感情で「報告」という仕事に取り組んでいるのだろうか。

元選手としての彼には多くの想いや苦労があるようだ。それを日々感じながら、次の目標に向かっている。引退後に感じることは、現場で接していたスタッフへの感謝の気持ちとも言える。

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試合日もピッチ外をざっと動き回っていた西部洸平。photo by Fujita Masato この記事に関連する写真を見る 引退後は当初、古巣の清水エスパルスからGKコーチのオファーがあったとのことだが、なぜその流れから報告という職に就いたのか。その理由は「最初はスカウトとしてエスパルスに戻る予定でした。しかし、そのタイミングでクラブ内の人事異動があって、チーム報告の人手が足りなくなったんです。」 彼は、自身が望んでいたタイミングでエスパルスに関わることができなかったと悔しさをにじませた。

「最終的には報告に携わることになったのですが、自分の思いがけない形でのスタートとなりました。」

昔から仕事としての報告に関心があったわけではなく、まさに運命的な再出発だったといえる。彼が言うには、「報告」は決して簡単な作業ではないとのこと。メールや請求書作成など、選手時代には考えもしなかった仕事に翻弄されている日々が続いている。

「最初のころは、さっぱり分からないことばかりで。時間もかかるし、思っていたより10倍は大変です。」

それでも、西部は「報告」業務を通して、サッカー界に貢献する道を模索し続けている。「経験者である以上、現場の選手とのコミュニケーションや情報の伝達が重要だと考えています。」と話し、彼自身の成長とともに、後輩たちへのサポートを大事にしているのが伝わってくる。

彼の熱い視線は、次なるステップへ向かっている。もはや清水エスパルスは家族のような存在で、これからも彼にとって特別な場所であり続けるだろう。これからの活躍にも目が離せない。