自衛隊コンサートに中学生参加の是非 市民団体「不適切」と後援自治体に波紋

2024-10-13

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世界遺産の厳島神社で名高い宮島を有する広島県廿日市市(はつかいちし)で9月に開かれた「自衛隊だれでもコンサート」がやり玉にあがっている。市内の中学校の吹奏楽部が参加し、複数の市民団体が「無防備な中学生を実力組織に取り込む」事例として批判している。

10月7日、廿日市市市役所に市民団体「教育問題を考える市民ネットワーク・ひろしま」の代表らが訪れ、「教育本来の目的について考え、保護する必要がある」との意見書を提出した。市と市教育委員会は「後援」している立場だが、この件に関して市民団体は「不適切だ」との意見を強めている。

この問題では、広島県自衛隊家族会が主催したコンサートに参加した中学生の保護者も驚きの声を上げている。「子供たちには自衛隊との直接的な関わりが求められるのかと不安を感じる」。また、参加した中学生の中には、演奏会の意義を理解していない人もいたと証言した保護者もいる。

廿日市市は、他にも多くの音楽イベントを295件ほど開催していて、地元の文化振興を推進している。しかし、「自衛隊」と直接な関係があるイベントは初めてで、多くの市民はその意義について意見が二分している。これに対し市は「教育及び文化的活動の一環として位置づけており、今後の反響を見極めた上で判断する」とコメントしている。

地元の音楽団体からも、特に自衛隊との関係を考慮した意見が出ており、今後のイベント企画について再評価が必要であると指摘されている。今週行われる演奏会に対しても注目が集まる中、広島県内では自衛隊の関与とその役割について更なる議論が求められている。これにより、今後の地域対自衛隊の関係を見直す機会にもなりそうである.