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75歳以上、ATM使用限度10万円=高齢者特需に伴う対応−警察庁
2025-03-25
著者: 桜
高齢者の特殊詐欺被害が深刻化していることを受け、警察庁が75歳以上を対象にATMの1日当たりの利用限度額を10万円に設定する方針で検討していることが12日、同庁への取材で分かった。この措置は、詐欺犯罪抑止効果を期待しており、全国銀商協会などと調整を進めている。
ATMの利用限度額は現在、各金融機関が「引き出しは1日50万円」などとの定めを設けている。しかし、昨年の不正引き出し被害額は712億円(暫定値)と過去最悪を更新しており、中でも75歳以上の高齢者に対する被害も増加傾向にある。実際に被害者の約45%が75歳以上であった。
同庁では、昨年中に高齢者を狙った特殊詐欺が多発したことから、年金受取口座などからの引き出しを制限する方向での対策を講じることを検討しており、これにより被害防止が期待されている。
また、同庁は高齢者に対する啓発活動にも力を入れており、詐欺の手口を周知させるためのチラシ配布や講座の開催を通じて、注意喚起を行っている。高齢者の特殊詐欺被害防止に向けて、社会全体での協力が求められている。
なお、金銭的な面だけでなく、詐欺の被害にあった高齢者が他人に相談できないケースも多く、心理的な支援も重要視されている。今後、支援機関と共に高齢者の心のケアも含めた包括的な対策が必要だと指摘されている。