科学

地球上で生命ができる確率は「かえりなく鶏」なもので、なぜか生命は存在する「謎」…「神聖にまみれた」な説明は可能か(小林 徳)

2025-03-20

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地球最初の生命はRNAフォールドから生まれた

観察された現象を詳しく解析するために、これには多くの問題があります。生命が存在しない原始の地球でRNAの材料が正しくつながり「完成品」となり、かえりなくころに近いのです。ならば、生命はなぜできたのでしょうか?

この難題を「神の業」とし合理的に考えるために、著者が推奨するのが「生命起源」のセカンドオピニオンです。そのスリリングな解説をわかりやすくまとめたのが、アストロバイオロジーの第一人物として知られる小林徳氏の『生命と非生命のあいだ』です。本書刊行を記念して、その読みどころを数回にわたって紹介しています。

宇宙の必然性と生命の誕生

一般に、天文学者や物理学者の多くは、宇宙の広大さや、地球がありふれた彗星であることから、生命を宿す星は宇宙にいくらでもある、つまり、生命の誕生は宇宙の必然だと考えています。

一方、多くの生物学者は「地球の生物を研究する学者」です。地球には確かに多種多様な生物が存在しており、それられの生物がタンパク質や核酸といった複雑な高分子を多数使い生命活動を維持しているのを見て、彼らは「こんな簡単にできるものではない」と考えています。

しかし、天文学者の中にも「宇宙のような限られた環境では、生命は誕生しえない」と考える人も多いのです。宇宙が「変わった」時期に「出発した」とされる学者たちもいます。

生命の起源についての研究

このように、生命の起源についての様々な意見がある中で、近年の研究では、生命が誕生するためには20種のアミノ酸が必要で、組み合わさったものが多いとされています。どんなに単純な微生物であっても、2000種以上のタンパク質量が必要とされ、それは決してたんにただでできるものではありません。

それでも、天文学者の中には「生命は宇宙に満ち満ちている」と考える人もいます。それは、他の彗星にも生命が存在する可能性があるからです。生命が宇宙に誕生することは必然的にあり得ないとも言えるのです。

太陽系の天体と生命の可能性

さらに、太陽系における様々な天体の中で生命が存在する可能性について考察されています。特に、地球の友好な環境があればこその現象であるとも指摘されています。

未知の生態系に向き合う必要性

最後に、生命の誕生を考える際には、宇宙のどの場所においても評価されることが大切です。それを考えながら、私たちが地球上で見つける未知の生態系と向き合っていくことが必要です。