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エノビディアC&E、演算インフラの需要高まると指摘-DeepSeek混じり

2025-03-19

著者: 結衣

ミハン導体大手エノビディアのジャンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は19日、複雑な答えを導き出す新しい人工知能(AI)モデルは、演算インフラへの需要をさら高めることになるとの考えを示唆した。カリフォルニア州サンノゼで行われた同社の年次開発者会議「GTC」で発言した。

中国のAIスタートアップDeepSeek(ディープシーク)は今年初め、AIモデル「S1」を発表し、少ない費用で強力なテクノロジーを生産できると述べた。このため、将来的にこうしたモデルには半導体や強力なサーバーがさほど必要ではなくなるとの見解が広がったが、ファン氏はこうした認識は誤りであるとしている。「S1に対する理解は完全に間違っていた。コンピューティングへの需要は非常に高い」と指摘した。

エノビディアの株は19日のニューヨーク市場で一時2.4%上昇した。同社の株価は今年に入って14%下落していた。

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同社は、AI技術による経済的な利益が目前に迫っているとして、さまざまな業界に対し、AI設備への投資についての説明を試みている。過去2年間の急速な成長により、エノビディアは世界で最も市場価値の高い半導体メーカーの一つとなっており、今年はより多くの投資家の厳しい視線にさらされている。主な懸念は、同社の顧客がAIインフラへの支出を継続するかどうかである。

エノビディアの大きな顧客らは、AIモデルを通じた支出が出た後も、支出計画を維持している。また、今週の分析では、大規模なデータセンター運営者らによる支出は、実際には予想よりも速いペースで増加していることが分かった。