科学

えて座の「M17(オメガ星雲)」 夜空を彩る美しい星雲の詳細が観測

2024-09-30

著者: 陽斗

私たちが注目しているのは、「えて座(射手座)」の方向45,500光年先に位置する星雲「M17(Messier 17)」です。M17は新たな星を生み出す星形成領域として知られ、その美しい姿は「オメガ星雲(Omega Nebula)」や「白鳥星雲(Swan Nebula)」としても親しまれています。

この画像は、ヨーロッパ南方天文台(ESO)が運用するパラナル天文台の「VISTA望遠鏡」に搭載された高感度赤外線カメラ「VIRCAM」によって得られたデータを使って作成されたものです。

ESOは、2010年から2023年にかけてVIRCAMで取得された観測データをもとに、20万以上の星の画像で構成される天の川銀河の新たな赤外線マップを作成し、その中にM17を紹介しています。この天体は、全体で約86,600個に相当する空の領域をカバーしたマップに含まれており、実際には15億個以上の天体が観測可能です。その中には、形成過程にある星々や、古い星たちが集まる球状星団、巨星と準巨星の間的な性質を持つ天体、さらに環を形成しない自由浮遊型星団なども含まれています。

ESOの望遠鏡を用いたものとしては最大規模となったこの観測プロジェクトは、今後数十年にわたり進められる予定で、新たな天文学的知見をもたらすことが期待されています。最新の画像はESOによって2024年9月26日に公開される予定です。