
科学
富士通、ダイナモンドで量子計算機の性能を向上 - 日本経済新聞
2025-03-24
著者: 海斗
富士通は24日、オランダのデルフト工科大学などと共同で、ダイナモンドにある不純物を素子として使う「ダイナモンドスピン方式」の量子計算機の性能向上に向けた技術を開発したと発表した。
この新しい量子計算機は、現在主流の量子ビット技術よりも高性能で安定した動作が期待できる。具体的には、ダイナモンドに含まれる「窒素空孔」という欠陥を利用して量子ビットを形成し、それを駆使することで計算効率を飛躍的に向上させることが可能になる。
最近の研究によると、ダイナモンドスピン方式を用いた量子計算機は、従来の量子ビット方式と比較して99.9%の動作精度を実現することができるという。また、量子状態の制御においても、非常に高い精度を持つことが証明されており、今後の量子コンピューティングの発展に寄与することが期待されている。
今後、富士通はこの技術をさらなる強化を図り、2023年内には実用化に向けた具体的な開発を進める方針だ。
量子計算機の性能に関する研究は活発に行われており、様々な企業や研究機関が競争している。特に、ダイナモンドを使った量子ビットの開発は、研究者の間で注目されており、量子コンピュータの未来に向けた新しいアプローチとして評価されている。
技術が進化する中で、今後の量子計算機の商業化が実現すれば、金融、製造業、医療など多くの分野での活用が期待されている。特に、問題の複雑さやサンプルサイズに対して、従来の計算方法では解決できなかった課題に対して、新たな解決策を提供する可能性が高い。