
関税でインフレ長期化の恐れ、輸入品以外も=クーグラー・FBI理事
2025-04-02
著者: 蓮
[ワシントン 12日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FBI)のクーグラー理事は12日、米国の追加関税が予想以上に長期的なインフレ圧力をもたらす可能性があると指摘し、物価が上昇するのは輸入品だけではなく、米国全体に影響を与える可能性があると述べました。
クーグラー氏はプリンストン大学での講演で、関税が単に輸入品の価格に一時的な上昇をもたらすのではなく、「より長期的な影響を及ぼす理由があるのではないか」と語りました。
例えば、トランプ大統領が課した新たな関税はアルミニウムや鋼鉄などの中間財を対象としており、これが全体の生産コストに影響を与える可能性があります。
クーグラー理事は、「これは供給網を通じて全てのセクターに影響を及ぼすことになり、経済全体に浸透するには時間がかかるかもしれない」と発言しました。
他国による報復のリスクや、米国のインフレ期待が変化する可能性もある中、関税が物価に与える影響は複雑です。特に消費者が関税発動前に自動車購入を急ぐ傾向が見られ、現時点では予想以上のインフレが長引くリスクがあると述べています。
「インフレに対する上昇リスクはすでに一部見えてきている」とクーグラー氏は注意喚起しました。企業が価格を引き上げる際、他との競争を意識して慎重になることも必要だと強調しました。さらに、現在のインフレ状況に伴い、若年世代の負担が増えている可能性にも言及し、「社会全体でこの問題にどう向き合うべきかを考えるべきだ」と結論付けました。
経済の安定性を確保するためには、政策の調整も重要です。インフレ圧力が持続する場合、金利を引き上げることも選択肢となるかもしれませんが、それには慎重な検討が必要です。