国内株式市場見通し:来週も手控え材料難で日経平均は堅いレンジ推移継続か
2024-11-23
著者: 雪
今週の日経平均は週間で359.06円安(-0.93%)の38283.85円と下落。決算発表が一段落したことや、トランプ次期政権に絡んだ動きが一服し、取引が閑散な中、売買代金は週間を通じて4兆円を割り込むなど減少した。日経平均の週間ボラティリティは、600円前後にとどまるなど値幅が狭く推移していた。個別では、ソニークラシックがKADOKAWAの買収検討と伝わったことから、KADOKAWAが急騰したほか、材料が出た銘柄は見られた。だが、注目された米半導体大手エヌビディアが24日748億円決算発表後、時間外取引でさえない動きを見せたことから、半導体関連株の物色は盛り上がりを欠いた。
日経平均は、週間を通じて38000円台前半から580円でのもみあいとなる可能性が高い。注目される11月第2週の投資主体別売買動向について、海外投資家は現物2755億円買い越した一方、TOPIX先物は520億円売り越した。225先物は33億円買い越したことから、合計868億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物211億円買い越しを超え、合計991億円買い越した。自信は現物3005億円売り越し、事業法人は現物3114億円買い越し、20週連続での買い越しとなった。
• ビットコインに短期資金が集中
週末の米国株式市場は続落。ダウ平均は前日比4426.16ドル高の44296.51ドル、ナスダックは同31.23ポイント高の19003.65で取引を終了した。大証ナイト終値は、日中終値6440円高の38580円。日経平均は75日移動平均線(75MA)になかなか上抜けできず、200日移動平均線(200MA)の狭いレンジ内で推移している。サポートラインとして75日移動平均線が機能していることから下値は固いが、200日移動平均線が意識されている上値は重い。来週は27日が11月の取引最終日となるが、11月の引き続きの材料難は続くため、個人投資家による極端な利益確定の売買は期待しづらい。
国内、海外ともに重要なイベントなども予定されていないことから、来週も今週同様、手控え材料難で空気を読みながらの展開となる見込み。為替市場も、米国の金利先高観が強まる中、徐々にドル買いが進むなかで、米金利の上昇を背景としたリスクオフの動きが影響してくるだろう。
• 12月会合での追加利上げ実施観測が高まる
市場では、12月18-19日に実施される年内最後の日本銀行による金融政策決定会合での追加利上げ実施観測が高まっている。18日の講演で、植田和男日本銀行総裁は、「経済や物価が見通し通り推移しても、そのつど利上げを行うわけではない」と述べた上、金利政策決定会合においては攻撃的な利上げタイミングを断定していないことが示唆されている。それに伴い、12月に向けて「まさか1ヶ月程度ある。それまでの期間に非常に多くのデータや情報が利用可能になるだろう」と言及した。どちらの発言内容もこれまでの発言と大きな違いはない。