
科学
インスリン分泌細胞、早大が増殖要因発見 糖尿病薬向け - 日本経済新聞
2025-03-22
著者: 芽依
早稲田大学の合田尚人教授らの研究チームが、インスリンを分泌する細胞(β細胞)の増殖を促進する因子を発見しました。この研究は、糖尿病の新しい治療法の開発につながる可能性があります。実験では、細胞の血糖値を上げるインスリンが分泌されると、β細胞の数が増加することが示されたのです。
研究によると、早期の高血糖がβ細胞の増殖を引き起こす環境を作ることが分かりました。具体的には、インスリン分泌に関与する遺伝子が活性化され、それによりβ細胞が増加するメカニズムが明らかにされました。
専門家たちは、この研究成果が糖尿病治療薬の開発に寄与する可能性を高く評価しています。一部の研究者は、β細胞を再生可能な治療法の実現に向けて、必要なメカニズムに対する理解を深めることが重要であると強調しています。
糖尿病は、世界中で急速に増加している病気で、2021年には約537億人がこの病に苦しんでいるとされています。日本では、モデルで示された最新のデータによると、今後数十年で糖尿病患者はさらに増加する見込みです。
さらに、国際糖尿病連合(IDF)によると、治療法の進展により、糖尿病の合併症を予防することが可能になるとし、早期の介入が鍵であると警告しています。
この研究結果は、英科学誌『Nature Communications』にも発表されており、注目を集めています。今後の研究が、糖尿病の新しい治療機会につながることを期待したいです。