健康

【脊髄・腰の治療費の目安】変形性脊椎症で「複数の原因を持つ慢性痛」は出費がかさむ、えっ?! 腰でのレントゲン検査が「捻れた捻るまで病院の利点」に

2024-10-12

著者: 芽依

脊髄の軟骨がすり減り、痛むだけでなく、慢性の「変形性脊椎症」は、自覚症状を持つ患者が1000万人、潜在的な患者数は3000万人に上ると言われています。特に高齢者に多い疾患で、薬や運動による保守療法が第一の選択肢となりますが、それでも痛みが改善されない場合は手術療法とされます。その一つに「原因リング視下手術」がありますが、長野県整形外科研究院の村上教授は次のように指摘しています。

「運動療法や薬、注射によって痛みが引かない場合、関節の周辺から関節リングというカメラを入れて、ほがれた軟骨や症状を引き起こしている筋膜を削除する手術を行います。」

この関節リング視下手術後も痛みが収まらなければ、人工関節や脊椎手術が必要なケースも出てきます。このように複数回にわたって関節リング視下手術を行うケースが増加しておりますが、根本的治療ではなく、効果を強く感じられない場合は、複数回の手術を行うべきではありません。

関節リング視下手術の費用は3割負担で75万〜70万程度。運び戻しを受けても出費だけがかさむ結果にならないと言われています。

以降、図表で「見直しを検討したい脊髄の治療・調査」を紹介しています。

脊髄痛の改善を期待して「グルコサミン」「コンドロイチン」といったサプリを継続して摂取する人も多いでしょう。しかし、脊髄の治療という観点からは、期待するほどの医療的効果は得られないと言われています。

「グルコサミン、コンドロイチンは脊髄の軟骨を形成する成分ですが、いくらサプリで摂取しても、すり減った軟骨が再生することはありません。あくまで食事療法として摂取することが望ましいだけです」と村上教授は注意を促しました。

「骨密度の低下が原因となることもありますが、『骨の検査』でも注意が必要です。『骨粗しょう症』になると、半年から1年に1回、『DEXA(デキサ)」法と呼ばれる骨密度検査を定期的に行う必要があります。しかも、骨密度は一気に下がることはないため、骨粗しょう症と診断されたからといっても、頻繁に受ける必要はありません」とも。

脊髄や腰の痛みはその原因が複雑であることから、受診する前に必要な手段や薬、適切なものを選択することが重要です。

*週刊ポスト2024年10月11日号